かたちあるものも、かたちがないものも、すべて移ろいゆくこの世の中で、時に虚無的な考えになることがあります。努力しても報われないとき、支えとしていた人を失ったとき、夢やぶれて途方にくれるとき・・・私たちは、むなしさを感じずにはおれません。
 阿弥陀さまは、そんな私たちに慈しみとあわれみをもって、たとえ報われなくとも、夢やぶれようとも、その人生を決して無駄にしないはたらきかけをしてくださっています。そのはたらきかけを“本願力(ほんがんりき)”というのです。
 起きてしまった事実は変えようがありませんが、その事実に対する受け止め方は、私たち次第です。阿弥陀さまの真実のやさしさに遇うとき、決してむなしく終わる人生ではないと、感じとることができるのではないでしょうか。
(2013年11月)
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