この季節、川のせせらぎは清々しさや爽やかさを感じさせてくれます。しばしば、川の流れは私たちの人生にたとえられます。私たちが生きてゆく上で、さまざまな岩≠ニいう障害物に遭遇したり、また悲しみという根≠ェはびこっていて思うように前に進めないことがあります。
 そのような進むべき道が見えず、迷った時にこそ、信仰の芽がはえるのではないでしょうか。お念仏の信仰とは、人生における障害物が解消したり、悲しみがきれいさっぱり消え去るということではありません。たとえ、さまざまなのり越えられない障害物があろうとも、悲しみが根のように深くとも、川を流れる水のようにさらさらと$エ々しく爽やかにこの世を生きてゆくことができるのが、お念仏のご利益であると拝察いたします。そして、いつの日か、その川の流れは、阿弥陀さまの慈しみあふれる海へとそそぎ、私たちは真実のやすらぎを得ることができるのです。
(2014年7月)
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