秋は感傷的な思いにひたる、よき季節ではないでしょうか。感傷≠ニは、傷(きず)を感じると書きます。自らが心に負った傷を、あらためて見つめ、思いをめぐらせたり、閉じこめたり、悲嘆に酔ったり、苦しんだり・・・。
 傷を感じる≠アとは、辛(つら)いことでもあります。しかし、同時に感傷にどっぷりひたった後は、いわく言い難い心地よさのような感懐を覚えます。
 ときには、感傷にひたる秋の夜長も一興でしょう。そんな夜は、お月さまが私たちをやさしく照らしてくださいます。
(2014年10月)
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