ふみ迷う 心の闇を 照らしませ 鷲の御山に登る月影大宮 智栄(善光寺大本願 第119世法主)
札幌にも雪の便りが、やってきました。だんだんと寒さがつのると、私たちの心にもちょっぴり陰がさし、暗闇に迷うことがあります。その闇のただ中にあるとき、ふと見上げるとお月さまが常に私たちをやさしく照らしてくださることに、気づくことがあります。闇あればこそ、そのお月さまの光をより実感できます。
阿弥陀さまの私たちを救おうとしてくださる思いは、まさにお月さまのような存在です。また、その阿弥陀さまの存在を知らしめてくださるお方が、お釈迦さまです。お釈迦さまは、インドにおいて霊鷲山(りょうじゅせん)という鷲(わし)のかたちをした岩のある山で法(真理・真実)をお説きになりました。「鷲(わし)の御山(みやま)」とは、お釈迦さまの我々を慈(いつく)しむ教えを通して、お月さまのような阿弥陀さまのやさしい光を感じることを詠んだものでしょう。
これから厳しい冬がまいりますが、心にはあたたかな阿弥陀さまを感じつつ、お念仏の日暮らしを送りたく存じます。