明日の大事をかかじと 今日はげむがごとくすべし法然
「つねに仰せられける御詞」
札幌は、例年より雪が少なく、穏やかな新年を迎えました。今年もお念仏のなかに安穏な一年であるようにと願うばかりです。
さて、お正月は、浄土宗の宗祖であり、お念仏の元祖である法然上人(1133~1212)の祥月命日のある月です。法然上人は、建暦2年(1212)1月25日の正午に往生されています。今からおよそ800年前のことです。800年前というと、遠い昔で現在の私たちには縁遠いように感じますが、法然上人のお説きくださった浄土の御(み)教(おし)えは、今もなお私たちの心の栄養となるような存在です。その一つが、この言葉です。誰しも明日の我が身の命の保証はありません。死が見えにくくなった現代では、あまりそのことを感じませんが、うつろいやすい身であることはたしかなことです。もしも、明日に私たち自身の命の一大事があるかもしれないので、そのかけがえのない出来事をのがさないように、今日の日を大切にお念仏者として励んでいきましょうと法然上人からエールをいただいている思いがいたします。
今年も、一瞬一瞬を大切に、今日は今日しかないと肝に銘じつつ、お念仏の日暮らしを送りたく存じます。