久方の 月の光の清ければ 照らしぬきけり 唐も大和も 昔も今も うそもまことも 闇も光も大愚 良寛(江戸時代後期の僧侶・歌人)
秋は、お月さまが美しく夜空にはえる季節です。闇夜を照らすお月さまは、よく仏さまの慈しみの光にたとえられます。仏さまの光は、いつでも・どこでも・誰にでもふりそそいでいます。それは、今・ここで・私を照らしてくださっているということなのです。
仏さまは、虚栄をはる私も、ありのままの私も、挫折のときの私も、栄光にあるときの私も無条件に照らしてくれているのでした。そのことに気づいた時、人は、たとえ苦しみが消えなくとも、悲しみのただ中であっても、やすらぎを感じることができるのではないでしょうか。
なにかとあわただしい世の中ではありますが、やさしく照らす月影を眺めつつ、お念仏の日暮しを送りたいものです。