今月の言葉 2016年4月

人は迷いながら 揺れながら 歩いてゆく 二度とない時の輝きを 見つめていたい

手嶌 葵
「明日への手紙」 (作詞 池田綾子)

 新年度がはじまりました。新たな環境のなかに臨む人、それを迎える人、見守る人・・・。それぞれの立場はありますが、この時期はこれからの新たな一歩をそれぞれが思う頃ではないでしょうか。目標に向かって、まっすぐ一直線に進むことができればいいのですが、現実はなかなかそういきません。時に、戸惑い、もがきながら、私たちは歩んでいきます。
さて、浄土の教えをあらわす言葉の一つに「悟るといっても迷っているということを悟るのである」(安田理深師)というものがあります。〝私〟という存在は、どのようなあり方をしているのか、不安定な私たちのあり方をありのままに見つめてゆくことが、浄土教の出発点であり、信仰の深まりであると拝します。
そんな私たちでありますが、一瞬一瞬の今という時を大切に、永遠ということはないこの世の中で永遠を見つめながら、生きてゆきたいものです。