今月の言葉 2016年10月

「今年の紅葉」を見に行くと言いながら 「今年の自分」を見に行く私でもありました

太田恵美
JR東海「そうだ京都、行こう。」広告より

 先日、北海道の最高峰・旭岳で初冠雪が観測されました。山麓では、紅葉も見頃のようです。秋は、どことなく哀愁を感じさせてくれます。自分自身を見つめる絶好の機会かもしれません。
法然上人(1133~1212)のお言葉に「はじめには我が身のほどを信じ、のちには仏の願を信ずるなり」とあります。「我が身のほどを信じ」るとは、自らを深く見つめるということでもあります。たとえば、好意のある人を心の底から信じようと思うとき、その人のことをよく知り、理解しようとします。やみくもに、何も知らないのに人を信じることは、危険であり、本当の意味で信じるということにはなりません。このように「信じ」るということは、その対象を深く見つめ、よくよくわかるということなのです。
色とりどりの紅葉を眺めつつ、「今年の自分」を見つめてみたいこの秋です。