今月の言葉 2019年2月

百里を行く者は 九十里を半(なか)ばにすと

顔真卿
「争坐位帖」

 あと三か月ほどで、平成という時代が終わろうとしています。昨年末の天皇陛下のおことばの中に、「平成が戦争のない時代として終ろうとしていることに、心から安堵しています。」とありました。ほんとうに平和な世であることに、深い感銘をおぼえます。数字の上では、平成という時代の9割以上が過ぎているわけですが、顔真卿が引用したこの言葉のように、心持ちは“まだ半(なか)ばなのだ”と、丁寧に最後まで平和の歩みを進めてゆきたいものです。