今月の言葉 2019年5月

大人の僕も傷ついて 眠れない夜はあるけど 苦(にが)くて甘い今を生きている 人生の全てに意味があるから

アンジェラアキ
「手紙~拝啓 十五の君へ~」

 お釈迦さまは、80歳のご生涯でいつも「人生は苦なり」とお示しくださいました。しかし、ただ一度だけ「人生は甘美なものだ」と弟子の阿難尊者にお伝えしたことがあります。それは、お釈迦さまが最晩年に生まれ故郷であるルンビニーをめざし、遊行の旅の途中での説法でした。一見すると、お釈迦さまの教えは矛盾しているかのように聞こえます。しかし、道を求める者にとって生きるということは、苦という側面だけでなく、まさに「苦くて甘い」ものなのではないでしょうか。