今月の言葉 2019年6月

三途に還るべきことをする身をだにも捨て難ければ 顧み育むぞかし まして往生すべき念仏申さん身をば いかにも育みもてなすべし

法然上人

 この時季、鳥たちの子育てする光景を目にすることがあります。「育(はぐく)む」という言葉には、羽で包んで大切にするという意味があるようです。法然上人(1133~1212)は、何を大切にすべきだとお示しくださっているのでしょう。自己中心的な在り方をしている私たちは、喜怒哀楽にふりまわされひと時も平安を保つことができません。そんな自分自身を反省しつつ、その身を大切にすべきですと・・・。まして、南無阿弥陀仏と称え、お浄土へと参らせていただける私自身を育むべきですと、法然上人は自他ともにすすめています。