今月の言葉 2020年8月

霊魂なるものの存在は容易に信じられぬ
しかし今かくあるおのれが多くの人々から温情を蒙ってきたのはたしかで
にもかかわらず生者に礼をつくしながら死者の恩寵を忘れるということはもしかしたら
この先の人生を踏みたがえるほど罪深い大いなる誤りなのではあるまいかと思った

浅田次郎

お盆の季節がやってきました。亡き人を想い、亡き人の声なき声に耳をかたむけ、ときには語り合う、そんなすてきな時季がお盆です。生きていることだけが私たちの姿ではなく、死も含めて私たちなのだということを、感じられる風情がお盆にはあります。亡き人を偲びつつ、心静かにお念仏申したい夏の日です。