ひとの世に 火のあるかぎり 魂迎鶴岡加苗
この2年半ほど、疫病の難によりさまざまな伝統的行事が中止されました。地域に根ざしたお祭りや長い歴史のある季節の風物詩が、途絶えることは、一見すると社会に影響がないように思いますが、私たちの心情や精神、文化的思考にとても大きな“穴”をもたらします。その“穴”が、私たちにこれからどのような影響がでるのか、目に見えない事柄ゆえ、危惧されます。
この句は、その意味において、非常に意義あるものだと感じます。「火のあるかぎり」という一言に、文化の継承の大切さをしみじみ思います。心静かに、それぞれのお宅のしきたりで、このお盆を迎え、お念仏のひとときを過ごしたいものです。