程遠い 月に障りが あるものか おのがまつ毛の 雲を晴らせよ徳本
中秋の名月は済みましたが、夜空にお月さまの光が映える頃であります。遠く離れたお月さまがはっきり見えない時、私たちは、ともすれば、お月さまのほうになにか原因があると考えがちです。しかし、自分自身をよくよく省みれば、実はもっとも身近な私のまつ毛に原因があったということがあります。“神も仏もあるものか”と如来さまのやさしさを感じられないのは、実は私のあり方・生き方に問題があったのです。月の光がいつでもどこでも穏やかに照らすように、如来さまのやさしさはいつも私にそそがれているのです。お念仏申す日暮らしの中で、自然と自らをみつめる心が養われていきます。