悲しみは悲しみを知る悲しみに救われ 涙は涙にそそがれる涙にたすけらる金子大栄
人は人を傷つけます。しかし、人を癒すのもまた人であります。浄土宗の宗祖法然上人(1133~1212)のお弟子に源智上人というお方がおられます。源智上人は、戦乱で親を亡くし、13歳の時に法然上人のもとにやってきました。その後、法然上人が80歳で往生されるまでのおよそ18年間お二人は、共に過ごしお念仏の日暮らしを送られました。法然上人もまた9歳の時に、争いにより父を失うという悲しみを知るお方でした。深い悲しみを知る法然上人だからこそ、源智上人のみならず、現代を生きる私たちも法然上人のやさしさを頂くことができるのだと感じます。