正しい人とはどのようなことにはげむ人のことであり 美しいとはどんなことにいそしむ人のおこないをさすのかを この1300年の大仏の歴史から学ぶことができると思います加古 里子
ならの大仏さま
今年は、法然上人が浄土宗をお開きくださってから850年という記念の年に当たります。法然上人が生きておられたもっと昔から、奈良の大仏さまが安置されている東大寺はありました。法然上人もこの東大寺にお参りしています。東大寺の大仏さまは、聖武帝が造立して以来、地震や火災・戦災により損なわれては再建され、紆余曲折を経て、今も私たちに慈しみのまなざしをそそいでくださっています。この大仏さまを造り、壊れたり、壊されたり、また造り直し、そして維持し、お参りしてきた数えきれない人々の営みは、今を生きる我々に“正しい人”“美しいこと”とは、何かを問いかけています。